Love & Comic - いしいたけるのマンガのサイト

オリジナル(ページものや4コマ)マンガやゲームものマンガ(アイドルマスター・ファンタジーアースゼロ[FEZ]・モンスターハンターetc.)など

Love & Ginger - 物語文章

トップページ > 物語文章 > Love & Ginger - 物語文章

【6】

 映画の次の日の朝、祐は自宅で朝のニュース番組を見ながら岬が迎えにきてくれるのを待っていた。
 けれども岬はやってこなかったので、遅刻する前にこちらから出迎えに行くことにした。

 「あらお隣さん、岬ならもう学校行ったけど。」
 「まじすか。」


 祐がひとりで登校すると、教室には既に岬の姿があった。
 声をかけようと近づくが、岬は祐に気付こうとしない。

 (避けられてるな。)

 祐は岬へのコンタクトを諦めた。


 その日は一日、岬が祐を避け続けたので、結局祐は岬をそっとしておいた。

 下校のときも、岬はさっさとひとりで帰った。
 付きまとっても迷惑がられるだろうと思い、祐は図書室で本を物色してからやはりひとりで帰った。


 次の日もその次の日も、岬はひとりで登下校し、祐を避け続けた。


 お隣さん同士は急に疎遠になって行った。



 「おはようございますミサキモリさん。」

 「…。」

 「…おはよう、すけさん。」


 祐はその日、登校する岬を待ち伏せた。

 「ご無沙汰ですね。」
 「そう?」

 こころが背を向いている感じがぴりぴり伝わってきた。

 「どうすか最近調子は。」
 「別に。」

 会話は弾まなかった。


 住々神社前、岬は坂の傾斜の緩やかなほうの、住宅地を通る道に車椅子を進めた。
 祐も並んで歩くつもりだった。

 「すけさんの道はあっちでしょ。」
 「いや、でも…」

 「向こうの方が早いよ。」
 「今日は時間に余裕がありますから。」

 「お供しちゃダメですか?」

 「向こうの道で行きなよ。」

 結局祐は引き下がった。
 彼らは同じ場所に通うために神社の前で別れた。


 坂をとぼとぼ上っていく祐の姿を、岬はじっと見送っていた。

 大きなため息をついた。


 「私って、バカだな。」

 「ほんと、嫌になっちゃう。」

▲このページのトップへ

当サイトのコンテンツは自由に加工、使用してくださって結構です。