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Rio_Heart(モンスターハンター小説)

【1】

 「好みだなあ。」

 その日わたしはドンドルマの街で組まれたその場限りのパーティのひとびとと共にのんびりゲリョス狩りに行っていた。
 知り合いと待ち合わせして組むパーティと違って、その場限りのパーティの場合わたしは大抵解散した後はメンバーの名前も顔も覚えていない。顔覚えの悪さには定評があるのだ。

 でもそのときの即席パーティのメンバーの中で、あるひとりの女性は印象に残った。はっきり言ってしまえばわたしのタイプなのだろう。
 わたしはゲリョスのトサカを狙ってウラノスグレネードで火炎弾を乱射しながら、ちらちらとその女のコを視線の端に追っていた。おかげでせっかく掘り当てたライトクリスタルを2個もゲリョスのくそったれに盗まれてしまった。

 ゲリョスは嫌いだ。


 「狩猟笛がお好きなんですね。」
 「え、ええはい。」

 狩りが終わったあと、話しかけてみた。わたしは女性相手にどぎまぎするほどウブではない。

 「サポート演奏、助かりましたよ。ナイス演奏でした。」
 「ありがとうございます。タケルさんの射撃もなかなか効果的だったみたいですよ。

 私は狩猟笛が好きというよりも、モンスターを直接ザクザクやるのが苦手なんですよ。怖いというか嫌いというか… まあ、苦手なんですね。」
 「ああだから防具もハイメタとかクロムメタルとか、鉱物系の装備なんですね、モンスター素材あんまり使ってないですね。」
 「そうなんですよ。武器もやっとボーンホルン改だし… すいません狩りでは足引っ張っちゃって。」
 「あなたに引っ張られるなら足も喜びますよ。」
 「…?」

 しまった親しい間柄になったわけでもないのに軽口を吐くべきではなかった。


 リオさんというのだそうだ。

 今回のゲリョス狩りでは狩猟笛ボーンホルン改を担いで参加、直接殴りには来ないで後方でわれわれを演奏でサポートしてくれていた。
 クロムメタルコイルの渋いスカート鎧姿がおしとやかな風情で、なんとなく弱々しい印象を与える彼女の雰囲気に随分と惹かれるものを感じてしまった。
 われわれがゲリョスの死体から皮やらトサカやらをがさがさ切り出しているときも遠くからそれを眺めているだけで、彼女はハンター稼業の報酬たるべきモンスターの素材を剥ぎ取ることを避けていた。その分彼女は採集や採掘を熱心に行っていたようだ。
 モンスターから剥ぐのが苦手みたいだからわたしが手に入れた分を分けてあげましょうかと申し出ようと思ったけれど、あの手の奥ゆかしいタイプのひとっていうのは結局遠慮して断るのに決まっているだろうからやめておいた。サポート演奏を楽しんで、採集や採掘で満足できるんだったらそれも楽しみ方のひとつだと思う。


 「フレンド登録お願いしてもよろしいでしょうか、リオさん。」
 「いいですよ。」
 「(ピッポッパッ)
 …
 でわ今後とも、よろしくおねがいします。
 なにか手伝いの手が必要なときは呼んでくだされば助太刀に駆けつけますからどうぞですよ。」
 「どうでしょう、私ひとに頼むの苦手だから呼ばないかも… でも、そのときはお願いしますね。」

 奥ゆかしいなあ。

 奥ゆかしいと思いました。


 今度何か簡単なクエストにでも誘い出してみようと思います。わたしの活躍する姿を披露して好感度アップなんて狙っていませんがんばらないと。

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